この下伊那に住んでいるからこそ―飯伊秋季わんぱく相撲大会・3、4年社会見学―

(1)飯伊秋季わんぱく相撲大会(10月20日(日))

子どもたちは、昼休み何度か練習して臨んだ大会。3年生、4年生、5年生の女子、6年生の男子1名がそれぞれ試合に臨みました。みんな立ち合いがうまくなり、練習の成果が出ました。また、会場が非常に盛り上がる熱戦続きでした。

また、取り組み前後には、子どもたちが、他校の子どもたちと話している場面をいくつも見ました。

結果は、5年生が大関(準優勝)、4年生と3年生が関脇(3位)、6年生は1回戦敗退でした。必死になって取り組む姿を見た他校の方から、「本当に粘りがすごいね」と声をかけていただきました。また、頑張っていきたいですね。

 

(2)3,4年社会見学(10月21日(月))

飯田下伊那地域の流通、産業や環境整備を学ぶため、3人(3年生2人、4年生1人)が社会見学に行きました。

青果市場、水産物の仲卸、冷蔵会社を見学しました。子どもたちがせりが行われているまさにその真横に入れて見せてもらえたり、氷点下20度以上の冷蔵庫に入れてもらったりしながら、自分たちの身近な食品等が手元に届くまでの人々の営みを、じかに感じることができました。

飯田の伝統産業の「水引」を生産する会社に行かせていただきました。飯田の和紙生産と結びついたり、農家の農閑期の副業として根付いたりしていた水引産業も、後継者不足に悩み、また水引生産を行う工場が1軒だけになった現状を知りました。しかし、その中で、現状の機械を修理し工夫を加えながら、ニーズに合ったよりよい水引を数多く作る工場の方々の姿に、子どもたちは驚いてばかりでした。

そして、何よりも子どもたちが、そして引率していった職員もびっくりしたのは、水引で作られた作品の数々でした。社員の方が製品をPRするのに、作品を製作できると聞いて、またびっくりしました。

<これも水引を用いた作品です>

 

さらには、子どもたち一人ひとりに、指導する方を付けていただき、水引作りに挑戦です。基本の作り方を覚えていくと、あとは自分でオリジナルを加えて、作品を作っていきました。これは帰りのバスの中でも続き、学校に帰ってきてからもずっと作り続けています。

子どもたちは、「作る機械がすごくてびっくりした。でも最後は人の手でつくっているので、すごいなあと思った」と、とにかくびっくりしたようです。これは、ここ下伊那でしかできない大事な学習であったと感じました。

最後に稲葉クリーンセンターに行き、飯田下伊那地域のごみ処理の様子を目の当たりにしてきました。2年前に稼働した新しいセンターで、ごみ処理の様子が間近に見えて、子どもたちもごみの多さを実感したようです。子どもたちは、「何も考えずに捨てていたごみが、こんなにもいろいろなことをして、灰になっていくんだな。」と話していました。

この飯田下伊那の地域だからこそ見える産業とそれを支える人の営みに学ぶことができたこと、少人数であるため、本当に近くで間近に見えたこと・・。本当に貴重な学びになりました。

 

 

 

 

 

 

支えられながら、自ら動くということ―稲刈り・脱穀・運動発表会―

(1)稲刈り・脱穀

10月に入り、秋が深まってきました。10月1日(火)には稲刈りを。16日(水)には脱穀を行いました。

稲刈りでは、例年のように一人ひとりが地域の方に指導いただきながら、鎌による手刈りをしました。はざにかけて、眺めてみると、「今年は収量が例年よりも少し多いかな」と指導の方に声をかけていただきました。

<稲を縛る縄も手で>

すべてが手作業の米作りは、脱穀になっても続きました。ご指導をいただく方はもちろんですが、地域の方も通りがけにのぞきに来ていただくなど、ずっと子どもたちを見守ってくださっているなあと、実感しながらの脱穀でした。

学校にある「足踏み脱穀機」を出し、地域の方にお借りした金属製の「足踏み脱穀機」と、風の力でゴミを飛ばす「とうみ」をお借りして、みんなで行いました。高学年の子どもたちが、てきぱきと低学年にアドバイスしたり、一緒に手を添えて行ったりしてくれたので、どんどん作業が進んでいきました。

<足踏み脱穀機をみんなで準備>

<とうみの風で余分なゴミを飛ばします>

これらが終わった後も、誰に指示されるでもなく、自分たちで落ち穂を拾い、稲から米をつまんで取ったり、畑等に使うわらを巻く縄をつくったり。すべきことを自分で考え、行動していました。くり返し毎年やっているのもあるとは思いますが、この学校で初めての子どもも、まったく他の子どもと変わらず、自らすることを考えて取り組んでいました。

<落ち穂を拾う>

<上に揺すってゴミを飛ばす>

多くの方に支えられながら、高学年の子どもたちが仕事の姿を示し、それを自ら感じて働く低学年の子どもたち。こういう風土を受け継いでいるのではないかと感じました。どのくらいの収穫量になるのでしょうか。収穫祭で味わえるのが楽しみです。

(2)運動発表会

本年度の和合運動会は、台風の影響で中止となってしまいました。「家も地域もみな和合」というテーマにあるように、学校も地域も安全に楽しくということを大事にということから、中止になりました。そこで、子どもたちの練習の成果を発表する場を設けたいと、18日(金)に学校独自の「運動発表会」を行うことにしました。

子どもたちに話をしたところ、子どもたちは、学校も地域も大事にしたいという話を本当に真剣に聞いていました。また、その話の後に「よーし、もっと一輪車の発表うまくなるぞ」と言っていました。私たちは、その姿に「よし、もっとすばらしい運動発表会にしよう」という元気をもらいました。また、延びた1週間の間、子どもたちは、一輪車発表の自分たちの映像を見て、「ここは手をもっとあげようよ」などとお互いに話し合い、磨きをかけていきました。また、保護者のみなさんも、新たに作った運動発表会のちらしを地域に配っていただくなど、本当にその頑張りや支えに心が熱くなりました。

そして、当日。前日雨が降った後で、一輪車演技等が難しいので、体育館で実施しました。すべての準備を保護者の方に協力いただき、自分たちでも行っていました。「手作りの運動発表会」です。

保護者の方はもちろんのこと、親戚、そして、地域の方がたくさん来てくださったこと、本当に本当にうれしかったです。

<地域・保護者の方も一緒に全校での校歌ダンス>

<かけっこ短距離走も、玉入れも保護者や地域の方も一緒に。笑顔そして真剣な顔・・・>

<子ども、大人そして合同の太鼓演奏の発表も。息をのむほど壮観でした>

<応援も地域や保護者の方々に向けて堂々と>

いよいよ練習を積んできた一輪車演技の発表です。一人ひとりが積み上げてきた力を全て発揮して頑張りました。失敗しても待ち、お互いに声をかけ合い、みんなで揃える気持ちが感じられました。

<大きな大きな拍手をいただきました>

閉会式には、保護者の方がつくってくださった手作りお菓子のメダルを、校長が一人ひとりに声をかけながらかけていきました。そのメダルを胸に一人ひとりが保護者、地域の方に向けて感想を話していきました。「中止になって本当に悔しかったけど、今こうしてたくさんの人に見てもらって、運動発表会ができてよかった」と何人もの子どもが語ってくれました。もう言葉はいりません。本当に自分たちで作り上げた素晴らしい運動発表会でした。これからの毎日の生活にこの力をさらに活かしてほしいなと願っています。