<年末の振り返り>

―来入児1日入学(12月17日(木))―

日本のいいところは節があるところだと思います。節があるから、自分や友だちなどと、1年間を振り返ってみて成長や課題を感じ、次にこうしようと新たな目標を立てることができます。

その節目を迎えるに当たって、たくさんの行事や学びの場がありました。

来入児1日入学は2年ぶりです。来年入学する1人のお子さんが来て、1~3年生が考えた交流を行いました。「ゲームが楽しかったよ」(来入児)と言っていたように、満足して、来年の入学を期待してくれたかなと思っています。

<みんなで歓迎>

<私たちが考えたゲームだよ>

―やすづくり(12月18日(金))―

次の日には、地域の高齢者の方にご来校いただき、お正月飾りの「やす」の由来をお話しいただいたり、一緒につくっていただいたりする機会を設けました。何年も続けていることですが、そのたびに「何のためのものか」を見直したり、やすをつくる技術が上がる自分を実感したりすることができました。

―クリスマス集会(12月24日(木))―

この集会には、未就学の子どもたちもみんな来るので、自分たちで会を準備したり、クイズやゲームの企画を考えたりして、みんなが楽しめるクリスマス会にしていきました。

<ゲームを考え、自分たちで進める>

<小さい子も一緒に>

感染対策をしっかりしたサンタさんとトナカイさんが来てくれて、全員にクリスマスプレゼントをいただきました。毎年のことではありますが、子どもたちみんなで楽しめる会にしていただく方がいてできることかなと思います。本当にありがたいことです。

<サンタさんやトナカイさんと一緒に歌ったり、写真を撮ったりしたよ>

―終業式(12月25日(金))―

無事87日間の2学期を終えて、終業式を迎えることができました。

一人ひとりが、2学期をふり返った発表をしてくれました。1年生は、「自分でしたいことを自分で時間を決めてできるようになった」そうです。2年生は、自分たちが考えて行った乗り物遠足を、本当にたくさんのエピソードをもとにふり返って、何度も「楽しかったです」と繰り返し話してくれました。3年生は、自分の学んだ勉強や体育のことをふり返り、「学んだことを大切にして、3学期頑張っていきたい」と目標をもっていました。4年生女子は、自分の成果として「算数のノートをきれいに書いたこと」「廊下などの清掃を一生懸命にやったこと」、課題として「習った漢字の書き順を普段あまり使えないこと」「授業のスタートのけじめがまだつかないこと」をあげ、「今までできたことはちゃんとやり続けて、できないことをしっかりやりたい」とふり返りました。4年生の男子は、「毎日遅刻せずに学校に行く目標を立てた。毎日はできなかった。今度は○○君や○○さんとしっかり行けるようにしたい」と自分の課題をきちんと見直して、具体的な目標を話しました。もう一人の4年生男子は「自分の日記の行数が増えたこと」を成果としてあげ、忘れ物をとどけてもらっている自分を何とかしたいと考えました。5年生女子は、「運動会で、6年生がケガで、急遽リーダーをする場面が増えた。それができて、とても安心した」ことや音楽会で演奏ができたことの気持ちよさを語ってくれました。

 

自分が2学期始めに立てた目標を、しっかりふり返って自分で成果と課題、次への目標を見いだすことができてきたのが、当たり前のことではありますが、とてもうれしいことです。

校長講話では、こつこつ頑張って積み上げた成果のよさや、その中でつらいな、苦しいなと思った時に「ここだな」と頑張れたこと、そしてこれからも「ここだな」という時に頑張ってほしいということを話しました。

2学期もたくさんのことがありました。子どもたちが自分で考え、自分や他と学び、深まりを実感できるには時間がかかります。しかし、小さな歩みでも着実に歩んでいくことができました。3学期、「自分がこんなに成長したんだ」「深まったんだ」と思えるようなまとめができたらと思っています。

本当にやりたくなること、大事にすること

―お仕事体験会、参観日、学校保健委員会(11月25日(水))―

いよいよ2学期もまとめの時期になりました。子どもたちは、自分の目標をふり返って次へのめあてを考えています。

2学期最後の学校公開、学習参観日では、2回目のお仕事体験会を実施しました。前回経験を積んでいるので、よりたくさんの経験を積めたようです。

中には、5年生が高齢者施設に行ってきて、感想を述べる姿を見て、「私も、5年生みたいに、施設に行って、お年寄りの方と交流したい」(4年生)という願いをもつ子どもも出てきました。本校も以前はこの高齢者施設に訪問したり、音楽発表会に招待したりということがあったようです。ここしばらく行われていなかったり、コロナ禍であったりしてすぐにとはいかないかもしれません。しかし、このような「私が自分で行きたい」と思うような交流が、交流の原点であるように思います。和合をつくってきた方との関わりが広くなるよう支えたいと思っています。

<授業参観・1~3年算数>「うーんどうやるんだろう。迷うな」

<4年図工>「消しゴムハンコづくり」

<5、6年外国語>「ペルーの文化は・・・」

この後、学校保健委員会があり、阿南町生まれでよく本校のことも知っている阿南病院の先生に、家庭での応急処置についてご講演をいただきました。なぜ皮膚を切ったときに絆創膏等の前に洗うことが大切なのか、自分たちでやろうとしていることの根拠は何かを、実技を通して分かりやすく教えてくださいました。お話を子どもたちがじっくり聞いていたのが印象的でした。本当に分かりやすくお話しいただいたのだなと実感しました。

―理科の研究授業(12月15日(火))―

本校は、複式授業で2つの学年で授業をするので「ずらし」や「わたり」といったやり方を行っています。授業場面の「ずらし」や2つの学年を先生が行き来する「わたり」をしっかり行い子どもの学びが深まっていくこと、一人学びを支えること、学年1名しかいなくても、異学年同士でやりとりをして、ともに学ぶよさを感じられるようにしていくことなどを大事に考えていきました。本校の方向を授業や子どもの様子を講師に見ていただき研究する会を設けました。

3、4年生の教科担任制の理科の授業です。糸電話で、「音は糸を振るわせて伝わる」ことを学んでいた3年生は、「いろいろな(糸以外の)もので音を振るわせているのか」を実験して考えました。関節と骨の仕組みを学んだ4年生は、ものを持ち上げたり、モデルを見たりしながら、腕を動かすときの筋肉の動きを考えていきました。2つの違う学習を展開していくので、先生もずっとついているわけにはいきません。先生がまず見通しをもって実験を自分で進めていけるために、どうしていくのかを考えていきました。

<自分の腕で筋肉の固さを確かめる4年生・この時3年生は自分でいろいろな材料を用いた糸電話の糸(材料)の部分が震えるか確かめ>

実験をして分かったことを自分たちで書き、そのことを発表し合う場面を設けました。「エナメル線で糸電話にすると、すごく震えて一番威力があるよ」(3年)「え、やったことないからやってみたい」(4年)。とみんなでやってみました。「うあわー。すごい」(4年)「こうやって震えてみるのも見えるよ」(3年)の声があがりました。一方で、4年生が筋肉の動きについて、「力入れると,腕の上の方がふくらんで、下の方がぴんと伸びるんだよ」とモデルを示しながら話すと、「うおーやってみて」(3年)といいながら一緒に試し、「何かアキレス腱の動きに近いのかな」(3年)と言葉を交わし合っていました。最後のまとめに3年生は「みんなに発表できたのがうれしかったです。体のことも勉強できて面白かったです」と書きました。

こうやって、たとえ学年に一人しかいなくても、複式の指導で、「一人学びを十分に支えながら意図的に主体的・対話的な場面を設けることができる」とすると、このことは、どんな学校でも、さらに大事にすることではないかと感じます。極小規模の複式授業である本校だから大切にすることとしても、私たちは学び続けたいと思います。

 

 

<さらに深く> ―イングリッシュパーティー(12月1日(火))読書旬間(11月24日(月)~)―

―イングリッシュパーティー(12月1日(火))―

昨年から、町内の子どもたちが集まって、ALTの先生などと英語を通して交流しています。しかし、感染症対策を考え、本年度はそれぞれの学校で取り組んでいます。本校では、英語専科の先生のお知り合いのアメリカのユタ州の方とリモートでつないで、お互い今いるところの様子、生活、行事などを紹介し合うことにしました。

事前に話すことを考えて臨みましたが、「相手に伝わるようにするのは、すごく疲れた-」(5年生女子)というのが最初の感想でした。

<Anan‘s famous for・・・>

伝えるということは、言葉だけの問題ではなく、気持ちの面も大事だということに気づいたのではないかと思います。「スピードが速くて聴き取りに苦労したけど、英語で質問し合えたのが楽しかった」(5年生女子)のように、ちょっとの壁を越えることで、英語が身近になり、さらに自分にとって広がったり、深かったりする世界にいけるのだと感じてくれたらいいなと感じます。

 

―読書旬間(11月24日(月)~)―

子どもたちは放課後の時間、読書をする姿も見られるようになってきました。今回の読書旬間では、さらに読書に励んでもらえたらと、読み聞かせや「本に親しむ会」を行いました。

本に親しむ会では、「読書しりとり」を行いました。自分の選んだ本からスタートして題名の一番下の文字が題名になる本を探してつなげていき、何冊本をしりとりでつなげたかというものです。

<「この文字の本は・・・」>

<「すごーい。こんなにつなげられたんだ」>

よくよく見ると、図書館に通いたくさんの本を借りて読んでいると、本の場所や何シリーズはどこにあるかを知っているので、たくさん集められることが分かりました。「もっと本をたくさん読んでみたい。次は〇〇の本が読みたいな」(1年生女子)とお互いの本を見合うことで、刺激を受けたようでした。ぜひたくさんの本に親しんでほしいなと思います。

<町の図書館の方による読み聞かせや、本の紹介>

<終わりが見えないようなことをあきらめないでいられるようになりたい>―お仕事体験会(11月25日(水))―

本年度も、子どもたちが楽しみにしていたお仕事体験会を行いました。子どもたちがただ「楽しい」ということだけでなく、「大人ってすごいな」「仕事っておもしろいかもしれない」「自分はあんな大人になりたいな」などと、働いている人と実際に体験したり話してみたりすることから感じてほしいと願っていました。

また、子どもたちは、自分で事前に質問等を考えていて、「火の中で大変なのに、どうやって人を助けるんだろう」(3年男子・消防署の方へ)「林業をしていて、楽しいこと苦しいことは何だろう」(4年男子・森林組合の方へ)「落語一席を覚えてみんなの前でやるまで、いったいどのくらいの練習をするのだろう」(4年男子・落語を行う方へ)のように、見えない所での営みや心情を聞く人が多かったです。

体験が始まると、それは夢中になってその仕事に取り組んでいました。

<地域のお年寄りの方と、昔の仕事『蚕の糸取り』「どうやって糸になっていくの?」>

<『消火準備』消火栓につないでみたよ>

<「えい!」>

<「敬礼」>

<『土木重機作業』実際に砂を掘ってみた>

<先生方も夢中になって体験>

<『高齢者施設での体験』お話しするの楽しかった>

<『森林組合の方に学ぶ』年輪を夢中になって数える、仕組みを学ぶ>

<『演劇や落語で人の心を豊かに』なりきって演技、落語で大笑い。練習の様子を聞く>

子どもたちは、「(生糸が)きらきらきれいで、楽しかった」(1年生女子)、「劇はとても恥ずかしくて、すごく体が疲れて、ストレッチをすごくやっているみたいだった」(2年生女子)、「本当に火を消しているようで、楽しかったし、すごいなと思いました」(3年生男子)、「(生糸は)とても時間がかかる作業で、これを手でやっていたというのが、すごくびっくりした」「私は人の役に立つようなことをしたり、はっきりと人に丁寧に伝えられたりするような人になりたいと思った」(4年生女子)、「(土木の仕事で)和合小の石垣を肩に担いでつくっていたり、1年かけて近くの橋を作ったりしていると聞いた。終わりが見えないようなことをあきらめないでいられるようになりたいと思った」(4年生男子)、「仕事は楽しいことも、大変なことも、いつもあるんだなって思った」(4年生男子)「伝わるように大きな声で話すのは大変だったけど、おばあちゃんたちの昔の話が面白かった」(5年生女子)などと語っていました。楽しさ・苦労・すごさが混じり合うように感じたり、自分の目指す姿や人のために働くよさ、見えない所の支えなどを感じたりしていました。大人へのあこがれや、自分の目指すものへつながっていったらいいなと思います。12月にもう一度機会があるので、さらに深く考えられるとよいなと感じています。