本当にやりたくなること、大事にすること

―お仕事体験会、参観日、学校保健委員会(11月25日(水))―

いよいよ2学期もまとめの時期になりました。子どもたちは、自分の目標をふり返って次へのめあてを考えています。

2学期最後の学校公開、学習参観日では、2回目のお仕事体験会を実施しました。前回経験を積んでいるので、よりたくさんの経験を積めたようです。

中には、5年生が高齢者施設に行ってきて、感想を述べる姿を見て、「私も、5年生みたいに、施設に行って、お年寄りの方と交流したい」(4年生)という願いをもつ子どもも出てきました。本校も以前はこの高齢者施設に訪問したり、音楽発表会に招待したりということがあったようです。ここしばらく行われていなかったり、コロナ禍であったりしてすぐにとはいかないかもしれません。しかし、このような「私が自分で行きたい」と思うような交流が、交流の原点であるように思います。和合をつくってきた方との関わりが広くなるよう支えたいと思っています。

<授業参観・1~3年算数>「うーんどうやるんだろう。迷うな」

<4年図工>「消しゴムハンコづくり」

<5、6年外国語>「ペルーの文化は・・・」

この後、学校保健委員会があり、阿南町生まれでよく本校のことも知っている阿南病院の先生に、家庭での応急処置についてご講演をいただきました。なぜ皮膚を切ったときに絆創膏等の前に洗うことが大切なのか、自分たちでやろうとしていることの根拠は何かを、実技を通して分かりやすく教えてくださいました。お話を子どもたちがじっくり聞いていたのが印象的でした。本当に分かりやすくお話しいただいたのだなと実感しました。

―理科の研究授業(12月15日(火))―

本校は、複式授業で2つの学年で授業をするので「ずらし」や「わたり」といったやり方を行っています。授業場面の「ずらし」や2つの学年を先生が行き来する「わたり」をしっかり行い子どもの学びが深まっていくこと、一人学びを支えること、学年1名しかいなくても、異学年同士でやりとりをして、ともに学ぶよさを感じられるようにしていくことなどを大事に考えていきました。本校の方向を授業や子どもの様子を講師に見ていただき研究する会を設けました。

3、4年生の教科担任制の理科の授業です。糸電話で、「音は糸を振るわせて伝わる」ことを学んでいた3年生は、「いろいろな(糸以外の)もので音を振るわせているのか」を実験して考えました。関節と骨の仕組みを学んだ4年生は、ものを持ち上げたり、モデルを見たりしながら、腕を動かすときの筋肉の動きを考えていきました。2つの違う学習を展開していくので、先生もずっとついているわけにはいきません。先生がまず見通しをもって実験を自分で進めていけるために、どうしていくのかを考えていきました。

<自分の腕で筋肉の固さを確かめる4年生・この時3年生は自分でいろいろな材料を用いた糸電話の糸(材料)の部分が震えるか確かめ>

実験をして分かったことを自分たちで書き、そのことを発表し合う場面を設けました。「エナメル線で糸電話にすると、すごく震えて一番威力があるよ」(3年)「え、やったことないからやってみたい」(4年)。とみんなでやってみました。「うあわー。すごい」(4年)「こうやって震えてみるのも見えるよ」(3年)の声があがりました。一方で、4年生が筋肉の動きについて、「力入れると,腕の上の方がふくらんで、下の方がぴんと伸びるんだよ」とモデルを示しながら話すと、「うおーやってみて」(3年)といいながら一緒に試し、「何かアキレス腱の動きに近いのかな」(3年)と言葉を交わし合っていました。最後のまとめに3年生は「みんなに発表できたのがうれしかったです。体のことも勉強できて面白かったです」と書きました。

こうやって、たとえ学年に一人しかいなくても、複式の指導で、「一人学びを十分に支えながら意図的に主体的・対話的な場面を設けることができる」とすると、このことは、どんな学校でも、さらに大事にすることではないかと感じます。極小規模の複式授業である本校だから大切にすることとしても、私たちは学び続けたいと思います。